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通し狂言「義経千本桜」 [海老蔵礼賛]

9月25日、昼・夜、拝見してきました〜♪
普段は「みどり狂言」な公演が多いので(いままでで通しで拝見したのは「先代萩」くらいで、しかも、各段がそれぞれに進化しちゃってるので、お芝居を通しで観たって感覚ではなかったんですよね)、ひとつの世界をずっと拝見するの、面白かったです。11時から9時まで(10時間やん!)お芝居の世界にひたる、というのも贅沢でした。

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昼の部は三階席の中央。舞台までとても近く感じます。

南座はこじんまりした地方のハコって感じで、ちょっとボロっちくって、海老蔵さんのような大スターに来ていただくには申し訳ない気もいたしました。歌舞伎発祥の地でもあるし、東京のヒトは京都が好きだから、いろんな付加価値で底上げされているかな…。顔見世のチラシが置いてあって、一等25000円ですっで。

●鳥居前
 この幕は、壱太郎さんの可愛らしい静がホントよかったです。「お傍にいた時さえ、片時お目にかからねば、身も世もあられぬこの静」「(一緒に連れっててくんないなら)死ぬる、死ぬる」ってウゼー!!なんですが、品を保ちつつ、うざ可愛く演じてらっしゃいました。海老蔵さんは隈取りで登場♪「待てぇ、待ちゃーがれぃ!」忠信です。近頃スッキリお痩せになったのに、この隈取りだと、ふっくらまんまる顔に見えて不思議。むき卵に隈取ったみたいです。腕も脚も隈取り(と隈入りの襦袢にストッキング)で、めっぽうお強い。藤太を踏み破るところが力強くて好きなんですが(ご見物も笑うとこで)、実際、内臓破裂みたいな死に方なので、残酷だなーなんて思ったりもします。

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一回目の幕間でランチタイム。高島屋の地下で買ったお弁当。名古屋のお惣菜屋さんのです。

●渡海屋、大物浦
 玉三郎さん登場です。貫禄〜。相模五郎(亀三郎さん)、入江丹蔵(亀寿さん)がキッチリしててよかったです。やっぱり役者さんは声が良くなくっちゃ、だな〜と思いました。
 大物浦は、正直、知盛の最後のトコと相模と入江の戦況報告以外、退屈なんですよねー。お局さんたちも、そんなんだから時代遅れになって負けちゃうんだよ〜。最後の弁慶の法螺貝の音色が毎度なんか情けなくてガックリきます。
 海老蔵さんも修行積んで、見る方のワタシも鍛錬して成長できたころ、また拝見したいです。

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二回目の幕間は、仙太郎のおまんじゅう。二個買ったけど、さすがに食べられず、翌日のおやつに。

●道行初音旅
 昼の部の方が、玉三郎さんファンは楽しめますね♪竹本と清元の掛け合いじゃなく、竹本だけの演出です。玉三郎さんと海老蔵さんが並んだ姿が美しくて、夢幻の舞かと思いきや、壇ノ浦の戦いの思い出を語る勇ましい踊りです。

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昼の部が3時に終演で、夜の部が4時15分開幕なので、時間潰しにブックファーストで歌舞伎関係の本を見たりして、そいで夜の食料仕入れてまた劇場に。
夜の入場時に、麻央さんがいらっしゃるのをチラ見しました。南座のロビーが狭いし暗くて、若奥様として頑張ってる!というよりは、ただキレイにして何も考えずに受け身で立ってる感じだった。

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夜の部は花道真正面のバルコニー席。オペラみたい♪

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三階の鳥屋もばっちり♪

すっごい端っこの席なんで、どうかしら〜と思ったけど、近いし案外見やすくて、お値段もリーズナブル(それでも8000円)でヨカッタ。これから回数行く時はこーゆー席もぜひ座りたい。1列だけで周りにお客さんが少ないからか、ついお行儀悪くなっちゃうようで、近所の初老の夫婦が、茶の間で観劇しているような気にでもなったらしく、ボソボソおしゃべりしながらご覧になるのは閉口しました。ダンナの方が、奥さんにいろいろレクチャーしてるっぽいんですけど、男の人ってスグ知ったかぶりたがるのでイヤねー。

●木の実、小金吾討死
 さて、海老蔵さんの生足を拝見いたしますか。木の実はヤなやつ具合がいいですね〜。奥さん(吉弥さん)は昔にお店を張ってたそうなんですが、今ではすっきりさっぱりそんな面影もなく、姉さん女房よりもさらに権太の母のようです。もうちょっと色っぽい雰囲気を出しちゃダメなのかな。
 小金吾討死は、吉野の田舎で、まだ前髪の小金吾が日本刀振りかざした集団に追い回されて、自分だって子どもみたいなもんなのに、内侍と六代を守らなきゃならなくて、どんなに心細いだろうかと、毎回とても悲しくなります。薪車さんがその薄幸で悲痛な感じにぴったりでねぇ。

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ひさご寿司というところの「祇園」というセット

●すし屋
 で、木の実、小金吾討死をふまえての、「すし屋」です。お里(梅枝さん)が可愛い♪雰囲気が華やかになってよいです。弥助とのじゃらじゃらもウケてました。弥助にラブ〜なお里ちゃんが、権太お兄ちゃんには、「ハァ?何戻ってきてんの?」みたいな顔するのがお上手でした。リアルです〜。「ビビビビビ〜」も。
 花道からニセ内侍と六代を連れて出てきて(「下にいろい」「つらぁ〜あげろ」とかカッコいい)、海老蔵さんの見せ場が満載なんですが、あんまり「もどり」ってんですか、感慨わかないので、涙、涙のシーンも、全くもらい泣きもなく…。死ぬ必要なかったんじゃん、とか、女房と子どもは処刑されるわけ?とか疑問もいっぱいで。だからつい脚に目がいっちゃうのかしら。

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まだまだ食べます!ケーニヒスクローネの抹茶ゼリー。とてもさっぱりしています。

●川連法眼館、蔵王堂
 そして、楽しみにしていた最後の幕。忠信カッコいい〜。つまんなさそうだけども。結婚するなら銀平ですか。シゴトができて包容力もある。彼氏は権太。ちょっとくらい悪い方が楽しいし。んで不倫するならホンモノ忠信でしょうかねー。カタブツを籠絡して楽しむという♪←スミマセン、終わりに近づいて気が緩んで妄想してしまいました。
 狐忠信の登場で、いっきに世界はファンタジーに。静に問いつめられて正体あらわすの、三階なのでよく見えました。平伏しているときから下に穴があいてて、着物ほどいたりゆるめたりしているようでした。で、一気にもぐって、モフモフで前に出てくるわけなんですね〜。下座音楽の御簾から突っ込んで、ホンモノ忠信に早変わりして窓から顔出すのも「ドタドタドタ」って走っている音が聞こえたし、絵のようにじっとしてるけど、実は荒い息を抑えてるのがわかりました。しんどいんでしょうねー。目が死んでたよ。
 宙乗りは、上の写真のようにすべてキチンと見える席で、客席の喜び具合もくまなく見えて、劇場中で興奮してうれしくて(みんな笑ってた)拍手、拍手で見送れたのがとてもよかったです。
 そして蔵王堂は立派な舞台を背に中央のすっぽんからせり上がってくる海老蔵さん。さっきの盛り上がりさめやらぬ感じですから、お客さんも拍手甘くなっちゃって、何やっても大拍手です。立ち回りもカッコよかったなぁ〜。

明日が楽ですよね!ホント、お疲れさまです。最後まで気を抜かずに頑張ってくださいませ!
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海老蔵奮闘の義経千本桜 [海老蔵礼賛]

9月22日夜の部、行って参りました。
珍しく、会社の同僚Sさんと二人連れ、一等席です♪

「木の実」と「小金吾討死」、休憩をはさんで「すし屋」で、いがみの権太が海老蔵さんです。なんか、脚がキレイなんですよね〜。切り掛かってくる小金吾を足で制してる姿や、すし屋で格子の着物の裾をキュっと持ち上げて決まるトコとか、いちいち美しいです。男性的な美しさですね。そして、女房子どもがいる役で、そのカラミとかも優しかったりぶっきらぼうだったりするのも「萌え」ですな。きっと江戸のお嬢さん方も、贔屓の役者さんのそんな姿に萌えていたのでしょうね〜と思いながら拝見しました。

ところで、Sさんは歌舞伎をご覧になるのが「十二夜」に続いて二回目なので、お話を理解されるか心配で、先に、過去の番附をお貸ししたりしてたんですが、一回目の幕間で、「『洞呂川の陀羅尼助』って薬、買いにいったことがあるのよ〜。江戸時代からあったのね!」と仰っててビックリしました。私はあらすじ読んで、なんとなく薬のことよね、と思ってたので、結構古いことご存知なのねー。イヤホンガイドなしで、全く大丈夫でした。

そして、いよいよ「川連法眼館(かわつらほうげんやかた)」です。クールな男前、忠信、ファンキーでキュートな狐忠信、どちらも大好きです♪静御前が忠信を呼び寄せようと鼓を打つあたりから、義太夫の御簾があがって、この時の三味線の方(番附見ると、多分、長一郎さんって方だと思うんですけど)、結構パンチがあって好きなんです。ベース弾くみたいな感じで、クールだけど熱い感じで(好き嫌い分かれるかも、です)。「破傷風」って台詞の中に出てくるので(って言ってたと思うんですが…)、これも江戸時代からの病名なのかな〜。そして、海老蔵さんがフワフワの狐の衣装になってからは、ジェットコースター。ワ〜〜〜!って思っている間にどんどん場面が進行して、キャーキャー思っている間にもう宙乗りです。客席大満足で、大拍手でした。ツイッターにちょっと書いたんですが、狐言葉の時、声がちょっと危なくて、お疲れなのでは…と思った次第。あともう少しなので、ぐっとこらえて頑張って欲しいです。
ヨカッタ、ヨカッタ、と絶賛しながら、忠信を待ちます。花道から颯爽と登場で、ここから立ち回りです。小金吾の時は、正直だれるワ〜と思う瞬間もあるのですが、ここは結構大技が繰り出されるので、緊張感あります。出初め式、みたいなのとか、とっても盛り上がります。ハシゴに乗ったまま一回転とかも好き。紫のコーディネートがステキな衣装で、お化粧もチョイ紫な感じでした。そいで、我當さんの教経が現れて、義経、静etc.と皆並んで終幕。我當さんと安徳天皇が中央の赤い台に乗るんですけど、海老蔵さん、朝からあんなに頑張ってるんだから、海老蔵さんがお乗りになればいいのに…とちょっと思いましたです。

この日は平日で、年配のお客さんが多かったせいか、感想を大きな声でつぶやかれる方が多くて、多分、イヤホンガイドを大音量で聞いてらっしゃるから、感覚がおかしくなってるんでしょうけど「海老蔵が出ると(舞台が)締まるなぁ。顔見世に出るから、これも楽しみ〜」みたいなお話をされて、松竹のお姉さんに「お声が響いておりますから、お静かになさって!」とか怒られてたり、すし屋のラスト、「女房やったの!」とか素っ頓狂な声を出されてたり、「川の流れのように」の着メロが、権太が瀕死の時に流れたり、四ノ切で「これ一本で、来た価値ある!」とか(みんな大声)、いろいろ賑やかな客席でした。でもまぁ、だいたい、同じようなことを思っているので(着メロ以外です!)、「そうやね!私もそう思ったよ」と思いながらSさんと顔を見合わせて笑っていたのでした。楽しかったです!!
若奥様はこの日もいらっしゃらずで、縁がナイのかしら…。まぁ後援会にも入ってないので、ご挨拶もできないしナンですけど。
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通しで観てきた!義経千本桜 海老蔵大熱演! [海老蔵礼賛]

9月18日に昼夜通しで観て参りました〜。
観る方も疲れたけど、行ってよかった、ホント、楽しかったです。

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京都はこじんまりとしてます。好きなような、そうでないような。

昼の部は一等。後ろの方ですが、やや花道に近いので楽しめそう♪この日は国立劇場監修の上演台本を持って行って、それを見ながらの観劇だったので、台詞や義太夫の言っていることがとてもよくわかって面白かった。言葉は耳に入っても、何を言っているのかわからないことも多いので(てゆうかそればかり)。例えば「しんきょう」って何だろう?と思っていたら「親兄」なんだもの。イヤホンガイドならわかるかな〜でもやっぱり片耳塞ぐのもったいなくて…。あまりによく理解できて面白かったので、これから台本集めようかな…。

というわけで、「鳥居前」からスタートです。やっぱり壱太郎さん可愛い。翫雀さんの義経とよくバランスが取れています。市蔵さんの藤太はまるで桂小枝のよう。弁慶が子どものように泣いたり、藤太と軍兵が笑わせたり、立ち回りがあったり、とても楽しめる演目です。この日は睨みの「カ、カ、カ、ンガ〜、ギロリ!!」でゲラゲラ笑われてました…。まぁいいか。狐忠信@海老蔵さんは、まだ序幕なので、狐の気配は抑え気味の得体の知れない感じ。狐六方、満喫しました♪

「渡海屋」「大物浦」で大和屋、玉三郎さん登場です。おキレイです。亀三郎さんと亀寿さんのコンビもいい感じだった。ワキがしっかりしていると安心して拝見できます。銀平の役ってカッコいいですよね〜。この役、好きなんです。ちょい関西訛りなトコとか萌えます(仁左衛門さんとかピッタリだし)。海老蔵さんって最近老けて見えて、40歳くらいに見えるんで(他のタレントさんなど、若作りしすぎですよね)、この役も丁度いいです。「主人」って感じの頼りになるオーラと、相模と入江をチョチョイとやっつける強さの迫力と説得力があります。
満身創痍で登場してくる知盛は「ハァハァ」いってる演技がちょいリアルすぎて、大物浦の舞台から浮いてる気がした。海に身を投げるとこは、格好よかったです。番附で「まだ二回目。今のところ経験値が少ないので難しいことが多くて。」と海老蔵さんが仰っていますが、どんどん経験値を上げて(って、海老蔵さんが言うと完全にゲーム用語ですな)いって欲しいです。

「道行初音旅」おキレイな二人です♪玉三郎さんと海老蔵さん、最強の組み合わせ。海老蔵さんが颯爽としてて素敵です。番附に「静が後ろ向きで扇を投げ忠信が胸で受け止める演技を見せる」とあって、「?????」逆やんか〜。ってか、この日は玉三郎さんが扇を受け損なってた。多分海老蔵さんのスローイングがまずかったと思うんだけど。今回の番附は、日本語がおかしいところもあったし、松竹も前の歌舞伎大好きの会長さんが亡くなって、だらけているのでは!?と感じました。

そして、夜の部開場3時45分まで時間があるので、鍵善でくずきりでも食べようかとぶらぶら歩いてたんだけど、少し並んでいるみたいだったのでヤメて、ちりめん小物屋さんや和装小物屋さんを冷やかしたり、おやつを買ったり、ちょっと楽しい時間でした。

夜の部は、三階席です。
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雰囲気はいいんですよね〜。席は狭いけど。

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三階に鳥屋が作られています!目の前にワイヤーがあるし、ワクワクする〜

夜の部最初は「木の実」「小金吾討死」。薪車さん、小金吾役ピッタリ。身分が下の権太に強請られてイビられて、悔しがりつつ耐えていたり、大勢の追手と戦って亡くなってしまうトコとか、悲劇的な役がよくお似合いです。立ち回りでは要所要所で見得を切るんですが、目力ないのが面白かった。海老蔵さんも負けずに、チンピラ役がピッタリ!?相手が弱いとわかると容赦なくいたぶるところ、雰囲気が出てて。女房子どものいる役なんですが、前のときも、いったいいくつの女房なの!?っていうおじいさんが女房役してて(ペタジーニかよ〜)、もし年格好が相当な役者さんがやってたら悋気の炎で燃え上がってしまいそう。六代君の子役がとても可愛らしかった。

休憩20分はさんで「すし屋」。梅枝さんが可愛い妹お里です。弥助役も薪車さんがよかったな〜。門之助さんです。梶原景時の声を聞いて、あらら、と思い番附見たら、男女蔵さんでした。…この人、なんかエセ歌舞伎っぽく感じるんですよね。不器用そう。この演目は見どころがたくさんあって面白いんですが、幕切れが主人公が瀕死のため、ぱっとしないんですね。面白いんですけどね。

そして30分の休憩はさんで「川連法眼館」「蔵王堂」です。海老蔵さんの四ノ切は何度目かな〜。最初に見たときから大好きで、些細な瑕疵は大きな流れがちゃんとしていると問題なく楽しめるもんだと思ったものでした。忠信登場です♪カッコいい!クール!あ〜その前に、竹三郎さんが引っ込む時に躓いちゃって、客席に笑われてました。カワイソウ。そして狐忠信登場です♪登場、見逃しませんでしたけど、本当は花道注目して、気がついたら舞台中央の忠信に「エ〜!!」って方が楽しい気がする。海老蔵さんの裏声@狐語カワイイ。モフモフの衣装も(新調されたんですね♪)。早変わりしたり、天井から飛び出たり、もう楽しさ満載でニコニコなんですが、鳥居前からずっと観ているので、「なんて大変なことをやってらっしゃるのだろう」と思って、荒法師相手にジャンプかましてるあたりから、もうウルウルで、胸がいっぱいになってました。こんな演目で何泣いてんの?と思われそうで、それはこらえつつ、宙乗りです。鼓をもらった海老蔵さんがうれしそうに体を揺らしながら上がってきます!客席を眺めてらっしゃいます。我々は桜の山になりきらねば!目の前を伏見に帰っていかれる海老蔵さんが通っていかれるので、必死で拍手して、満開の桜のつもりで涙目でスマイルしてきました。鳥屋に入られる前に、桜吹雪がブワーっと舞って、気持ち的には号泣でした〜。

もう休ませてあげて〜と思いつつ、5分の休憩で「蔵王堂」で、初めて見るので、どんなのかしら?と思ったら、立ち回りがいっぱいの、これはこれで大変じゃん!という演目。花道でハシゴに上られたりして、三階席にもオイシイとこが色々。紫でコーディネートされた衣装も素敵で。ウルウル気分のままずっと拝見して、最後は玉三郎さんいなかったけど、主要キャストが勢揃いして、晴れやかに終わったのでした。

なんかよかったな〜。あのー、このところ「別件」とか言って、ロックのライブによく行ってて、この間、黒猫チェルシーとOKAMOTO'Sの対バンに行ったんですけど、そのタイトルが「弱気なサディストVS強気なマゾヒスト」で、アタシは「弱気なサディスト」かな〜。いけずとかいっぱい言うわりに打たれ弱いから。で、海老蔵さんは「強気なマゾヒスト」と思ったな〜。オラオラ言いながら、何でこんなに自分がしんどいことばっかりするの〜って。もうね、気持ち的には四ノ切で号泣で蔵王堂で滂沱の涙な感じ。すっごくよかった。千本桜を通しで楽しめたのもよかったし、「渡海屋」「大物浦」「すし屋」「四ノ切」み〜んな海老蔵さん!で感激もひとしおでした。
舞台写真は9枚出てて、序幕の狐忠信と蔵王堂の忠信を買ってきました♪来週は夜の部を一等で拝見します!キャ〜〜〜〜!!!
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通し狂言 義経千本桜 まずは小手調べ [海老蔵礼賛]

「訪欧凱旋公演」の昼の部に行って参りました〜。三階なんで、海老蔵双眼鏡を握りしめまして、まずは小手調べってとこです。若奥様には今日も会えずに残念。小姑が遭遇する日はくるのかしら〜。

ちょっと書いておきたいのは、今日、身を乗り出して観劇される方が多かったです。私の両隣もそうでした。歌舞伎初めてみたいで、悪気は毛頭なさそうなんで、後ろの人に迷惑ってわからないだけなんだと思います。結婚式の中継や歌舞伎座の建て替えニュースなどで興味を持って見に来られたのかも、なので、これは劇場がキチンと「身を乗り出していると後ろのお客さんが見えなくなる」「イヤホンガイドは音漏れしないようにつける」と注意すべきと思いました。開演前やアナウンスで言ってますが、そんなの聞いちゃいないので、映画みたいに始まる前に役者さんが舞台で仰ったらどうでしょうかね。平成中村座ではそうしてましたね。

「鳥居前」静御前は壱太郎さんです。かわいらしい。翫雀さんの義経はちょっと桃太郎チック。三階から見ていると、人の立ち位置にバランスが気になるんですよね。歌舞伎はどの場面も絵のように構図がピシっと決まってて欲しいんですが、ちょい崩れ気味でしたかね。なのでこじんまりしている印象。
置き去りにされた静を藤太が捉えて、それを助けに海老蔵登場です。カッコイイ♪荒事です。藤太は踏み破られちゃってポイです。カ、カ、カ、カ、クワ〜、ギロッ!って鼻鳴らして睨むの、以前は結構笑いが起きてたんですが、もう起こらないですね。海老蔵さんがカッコ良さでねじ伏せちゃったかな。
ラストは狐六方で、こりゃ三階では見えなくて、来週楽しみます♪

25分の休憩でお弁当。トイレ、この休憩の方が空いてた気がします。舞台写真、海老蔵さん単体はまだなかったな〜。玉三郎さんとのツーショットがありました。

「渡海屋(とかいや)」「大物浦(だいもつのうら)」初めて観たとき、安徳天皇が泣いちゃって途中リタイヤだったな。今回は年長さんで大丈夫そう。
玉三郎さんと仮の夫婦なんですけど、なんか蝦夷模様の着物なんか着ちゃって、スゴク格好いいんです。ものすごく色っぽいし。美人の奥さん従えてるから余計に頼もしそうにかつ色っぽそうに見えて、三階でしみじみ萌えておりました。本性出して知盛は白装束なんですが、ところどころメタリックで、和モノのロールプレイングゲームの勇者みたい。で意気込んで行く割に、翫雀さんにアッサリ負けちゃって血まみれー。白装束がバラ肉でつくったキモノみたいになってます。
江戸の人はヘンタイですよね〜。いい男を血まみれにして、苦しめて、身投げさせて、それを弁当食いながら喜んで観るって、まぁ一緒ですね。我々と。
最後の見せ場がまたいいんですが、三階からだと、黒衣ならぬ青衣さんのアタマが見えて、興ざめだったので、これも来週の楽しみに取っておきます。

30分の休憩は、南座久しぶりなんで、売店や休憩所巡り。南座もかなりの老朽化なんで、歌舞伎座が新しくなったら、次は南座を改装してほしいです。そういえば、番附に新歌舞伎座の案内が載ってて、新歌舞伎座って、松竹と関係なくなかったっけ!?

最後は「道行初音旅」。私は今日、これが一番楽しかったです。玉三郎さんはシンプルな柄だけど華やかな振り袖でおキレイだったし。すっぽんが開いたら三階席がソワソワしだして、静かの鼓につられて海老蔵さんがお出ましです。必要以上に「狐」を出さずに踊ってられた。玉三郎さんと海老蔵さんの並んでいる姿、ホントにちょうどいいです。海老蔵さんが成長されたんですかね〜。玉三郎さんは、老化をぐっとこらえて、海老蔵さんのお相手をしてあげてくださいね。そうそう、番附見たら、人形遣いが薪車さんってなってたので、これも次回チェック〜!

というわけで、来週のチェック項目がいろいろ出まして、まずは一回目の観劇でした。
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八月花形歌舞伎、四谷怪談でキャ〜!! [海老蔵礼賛]

新橋演舞場で行われております、八月花形歌舞伎の第二部と第三部に行ってきました。今回は、仕事とライブと歌舞伎の三本立てなので、正直、どうなるかしら〜と心配しながら荷造り。出かける朝に掲示板に書き込んどこう♪とMacを立ち上げて、機嫌良く書き込んでたら、みるみる砂嵐がおこって、モニターが見られなくなって、「???」となりながら、強制終了しておウチを後にしたのでした…。

当日は、有給休暇にしていたので、朝もゆっくりで、買い物したり、東京をウロウロして楽しく過ごし(暑かったですけどね〜)、いざ歌舞伎へ。いつもは観た順に感想書くんですけど、今回は「四谷怪談」から。真ん中よりは前の方で、ほぼセンターのお席です。写真入りの筋書買ってGOです。

え〜っと、あんまり「礼賛」な内容にならないような気がするので、はじめにご注意申し上げておきます。四谷怪談を歌舞伎で拝見するのは初めてなので、私が持った「もっとこうやったらいいのにさ〜」という気持ちが、演出に向けてなのか、海老蔵さんに対してなのかはちょっとわからない感じです。
勘太郎さんがお岩さん他、早変わりで演じられます。海老蔵さんは伊右衛門。なんかね〜あんまり「悪い」感じがしませんでしたです。クールな風になさってますけど、お金を横領したり、自分の悪事がバレないように義父に媚びたり、それが効かぬと知って短絡的な方法を思いついたり、まぁどうしょうもない男なんですが、あんまり「どうしようもない」感がなく、どうしようもないのにメチャいい男だから隣家のお梅がボ〜っとなっちゃって不幸がはじまるハズなんですが、その面白さがないんですな。第三者の観客から見たら「あんな男あかんで!」かつ「キ〜!カッコいい!」が同居してる色悪ぶりを発揮して欲しかったんですよね。そいで、産後の肥立ちが悪い(古いコトバやね〜。今の20代のコとかは聞いたことないかも。血の道とか!)お岩さんに、おなじみの面相が変わる薬が投下されて、お話が進んでいくんですが、伊右衛門さんの悪い具合がイマイチ中途半端。ここはグイグイと「わっる〜」と観客に思わせないと、後からの「恨み晴らさでおくべきか〜!」な、お岩さんの粘着恨み節の説得力がなくてダメだと思うんですが。
お岩さんは、いろんな不幸が集積して、按摩の宅悦に強姦されかけて、そして何もかもが自分の亭主の差し金とわかったのに、宅悦ともみ合っているうちに、死んじゃうのよね。ここら辺から「怪談」な感じになってきます。邪魔者がいなくなって、何よりの伊右衛門さんは、さっそく祝言をあげた嫁と義理の祖父をウチに入れて初夜なんですけど、亡霊と見間違えて首を斬り落としてしまう。
時はしばらく経った呈のお堀の場面。ここでも悪いやつぶりを発揮しないといけないんですけど、顔はキレイなのに根っから腐ってるよね!って思わせないといけないんですが…。一旦アカンやん!と思ったら、回復するの難しい〜。
長いお芝居なので、間に舞台番ということで、猿弥さんが登場して、その後のあらすじを説明してくださいます。ここが一番面白かったです。この前のシーンで終幕と思った人が席を立って帰ろうとするのを「休憩じゃありませんよ。お手洗いですか?我慢は体によくないので、行ってきてください」とか仰るのもお上手でした。殺人もいっぱい、悪巧みもいっぱいなお話の中で、ホッとする間合いでした。
…んで、仇打ちの場です。伊右衛門は、お岩さんの幽霊に悩まされてビクビクのヘナヘナです。前までの場面で、凄まじい色悪ぶりを発揮していたら、この場面のヘナヘナ具合と対比になって、より面白さがでたろうに勿体ない!そしてお岩さんが大活躍で、暗い中に、驚かせやさんのダミー岩さんが客席に乱入して、びっくりして「ギャー」って叫びました。ココが猿弥さんの次に面白かったです♪ゾっとしちゃった。勘太郎さんは確かにあんまりコワくなかったかな。髪梳きとか、コワいんですけど、勘三郎さんや勘太郎さんて、親切そうなイメージあるから、あんまりコワくないというか。一生懸命説明したらわかってくれそう。七之助さんがやったらコワそうかも。
…というわけで、お芝居は面白かったんですが、本当はもっともっと楽しめたんじゃないのかな〜という疑問が残って、「海老蔵、しっかりやれよ!」と思いつつ帰ったのでした。

二部の方は「暗闇の丑松」、長谷川伸・作の新歌舞伎だそうです。初めて観ました。とてもうまくできています。ハナからお芝居として書かれているから、舞台転換や演出などにメリハリがあって無理がない(源氏物語って暗転ばっかりだったでしょう)し、登場人物も絞られていて、伝えたいことがよくわかります。筋書読まなくてもお話がわかるし。ただ、歌舞伎でやる意味があんまりわからないっていうか。このあとの「娘道成寺」は古すぎて、衣装やら押戻しとか、現代のお芝居ではありえん演出とテンションなので、めっちゃ新鮮で面白いんですが、「暗闇の丑松」は古くささが先に立った。愛を全うしようとする男女、貧しさの不幸、すれ違い、転落、偶然の出会い、裏切り、潔白の証明、男の軽薄さ、女の業、復讐etc.。現代のお芝居で、今の空気、今の風俗、今のテンポでやっているからそっちの方が面白いよね。中では松の湯の場面は珍しくて面白かったです。なんとなく知っている銭湯とシステムが違うので。「嗤う伊右衛門」でのお風呂のシーン(佐藤浩市のお尻がイヤだった。タレ具合が…)や「千と千尋の神隠し」の働くシーンを思い出しました。橋之助さんは熱演でしたけど、これもお尻がイヤだった(カタチがヤよ)。獅童さんも足が細すぎ(まぁ、この辺は好みでしょうが)。釜の仕事をしているヒトはまだマシだったけど、普段、服を着ている人のハダカはなんとなく生々しくて気持ち悪い。江戸時代に年中ハダカで本当にこのシゴトをしていた人のハダカはこんなに生々しくないと思う。風雪に鍛えられて「肌」が「革」みたいになってるような気がするので。だから現代人の役者さんには難しいですね。
「娘道成寺」は、さっきも書いた通り、歌舞伎のイメージ通りで面白かったです。小坊主さんたちのぐちゃぐちゃ、や、「十づくし」、女形の引き抜きの衣装や踊り、最後は荒事で押戻し。こっちは素直に楽しんできました。二列目だったし。

終演は9時40分でしたかね。演舞場から歩いて帰れるホテルだったので、ラクでした。ただ、翌日の会社に遅刻せずに行くには、東京ではなく品川始発ののぞみにのらないといけないので、会社まで乗り換え五回で、朝、必死で(寝坊しちゃって…)タイヘンでした。荷物は宅急便で送って、普段通りですが何か?な感じで出社したのですが、正直ハラハラでしたです☆
Macはいろいろやってみたけれど復旧せず、新しいのを今日買ってきました。ヨドバシ梅田に行ったのですが、エスカレーターのところに麻央さんの大きな写真がいっぱい貼ってあって(brotherの何かの宣伝に出ているらしい)、海老蔵の色悪ぶりが足りないのは、オマエのせいかよ〜とちょっとムっとしたのでした。ごめんあそばせ!
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新橋演舞場でハートわし掴み♪海老蔵=助六で萌えた夜 [海老蔵礼賛]

さて、ここから成田屋贔屓は大本番です。まばたきも少なめにせねばなりません。ナント今回はウチの姉が「成田屋を観たい」というので姉妹で観劇です。では、こまどり〜

◆2010年5月8日
夜の部最初は「熊谷陣屋」でスタート。これも暗いし重い。歌舞伎初心者の姉と一緒だったので気を使います。イヤホンガイドと筋書きの両方でやっと話が見えたって言ってました。そして「海老蔵さんが一番何を言うてはるかわかりやすかった」って。
熊谷直実が染五郎さんです。茶色い顔で、イケメンが台無し。そして後半白塗り海老蔵さん登場ですから、やっぱりなんかしっくりこない。染五郎さんは筋書きで「なぞるだけで精一杯でしょうが…」と仰っていましたが、これから進化、進歩していくのが楽しみと思いました。私も筋を追っかけるのに精一杯だったので、これから共に成長しましょう♪

次は「うかれ坊主」藤間流家元の松緑さんです。「ヘンな顔やで」と姉に紹介してたら、衣裳もすごくてビックリ。派手な襦袢の生地みたいなフンドシにスケスケの絽の羽織!?後ろを向くとお尻が透けてる!と姉がビックリしております。いやいや、肌色のを履いてはりますがな。メイクもフットボールののんちゃんみたいなひげ剃りあとで、踊りも面白くて明るい舞台でした。そうそう、海老蔵さんと染五郎さんがいらしゃるのだから、松緑さんはオモシロ方面を目指せば、きっと観客の心を打てると思いましたですよ。

うふ、うふ、うふふふふ〜♪お待ちかね!やっと「助六」ですっ!花外ですけど、まあ良い席なので(襲名の時はあんまり良い席じゃなくて…それでも超楽しめてシアワセだった!)ワクワクです。傾城達が舞台に出て、そして揚巻の行列が花道から登場して、豪華です♪伊勢海老つきの衣裳にいつも笑っちゃいます。お腹には鯉の滝登りだし〜。続いて白玉も行列で、主人公がなかなか出てこなくても舞台の華やかさに飽きさせません。意休さん(今回は歌六さんで、いつも意休の左團次さんは口上)がボロカスで面白いの。この演目ははリラックスして楽しめて好き〜。揚巻、もっと攻めろ〜ってな。んで、揚巻と白玉がすっこんで、はじまって45分くらいですかねぇ、あれぇ〜そろそろかな〜っていう客席の期待が最高潮に達した時に助六@海老蔵登場です!!カッコイイ〜!!!蛇の目傘が日本一似合う〜!ロックのライブみたいに「ギャ〜!!」って叫びたかったけど、そうもいかないので、隣の姉に「カッコいいでしょう〜」と呟いてました☆花道は後ろ姿ばっかりかと思いきや、かなり良い目にあいましたよ!ほっそりされて、ちょっと険のある感じですけど、KUMEさんが掲示板に書き込んでくださったようにおじい様を彷彿とさせるお姿でした。いつまでも観ていたい感じで、そんな気持ちにこたえるように花道はたっぷりあって、うふふふふ〜(←コレ、姉が気に入ってました)。「この鉢巻がご不審かぁ〜」あ〜良いお声♪「どうでんすな、どうでんすな」とかイチイチ真似したくなるのよね〜。芝居の筋はみなさんご存知のとおり吸い付け煙草のキセルをいっぱいもらって、意休に意地悪したり、福山のかつぎが出て来たり。朝顔仙平は期待してたけど亀寿さん、案外ダメでしたね。間が悪いのかな。そして、兄・染五郎の登場です。いい具合にナヨってます♪「鼻の穴へ屋形船蹴こむぞ!コリャマタナ〜ンノコッタ!」です。御見物も大喜びで、そこで胯くぐりですがな〜。「マタ〜くぐれ!!」って海老蔵さんも意地悪ですわねー。お侍@市蔵さんをくぐらせた後に、通人@猿弥さん登場です♪海老蔵さんの新婚ネタを大いに仕込んでらっしゃって。私の席からは海老蔵さんのお顔が見えなくて残念ですが、「なんと呼び合ってるんですか!?」「孝俊さんって呼ばれてるんですか!?」「アップルパイ、アタシも食べたい」とかガシガシ言われてて面白かったです。「こんな体型でもくぐれましたって。」
そして助六は案外嫉妬深くて、揚巻が客取ったって絡むんですが(カワユラシ〜♪)それが実はお母さんで、兄弟二人がヨシワラで悪態ついてるんで、げっそりして、紙子の着物を着せられちゃいます。
そして水入りですね!初めて拝見します。花道から白装束で殺気立った感じでお出になられて、意休を斬って友切丸を手に入れるも、騒ぎになって水の中に隠れて、若い衆に追いつめられたところを揚巻に助けられるのです〜。余裕の海老蔵さんも憎たらカッコイイけど、傷付きながら必死な海老蔵さんはさらに萌え〜ですなぁ。アタシも揚巻みたいに啖呵切って海老蔵さんを助けてあげたいと思いました。綺麗で気風もよくて信頼あつい揚巻だから助けられたのね〜。お芝居が終わってしまうのが寂しかったです。
終演後は近くのパブでなんやかんや。「海老蔵さん、格好良かったやろ〜」と言ってもナカナカ「ウン」と言わない姉だったけど、先ほどハハからの電話で「○○ちゃん(=姉)から電話あって『海老蔵さん、ダントツで良かった〜』と言っていたわよ〜」と判明しました!ワハハ。そりゃそうでしょう♪助六@海老蔵観て、カッコイイ!!!!以外の感想はありませんがな〜。1回だけの観劇が恨めしい。至福の時を過ごした東京の夜なのでした〜。これからご観劇のみなさまお楽しみに〜。
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海老蔵、渾身の「伊達の十役」 [海老蔵礼賛]

新橋演舞場
2010年1月23日 夜の部

前回の観劇から約一週間。有休取って、のんびり平日に出かけちゃいましょう、とチケットを取ってたのですが、いろいろあって結局シゴトで東京へ。深謀画策しても後々の観劇の支障になっては嫌だし、ここは素直に働いて、定時ダッシュ!!ハァハァしながら地下鉄乗り継いで東銀座へ!三幕目「奥殿」にすべり込みました〜。

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ロビーの端には猿弥さん休演のお知らせが…

上手側の真ん中よりやや前の方のお席。前回楽しめなかった早替わりオンパレードの発端〜二幕が観られなかったのが残念でなりません。慌てて来たので、なんだか気が落ち着かなくて、お芝居に集中できず、歌舞伎のリズムに乗れないまま「奥殿」は終わってしまった…。集中しようと息を詰めていると、誰かがクシャミしたり、お喋りしたりして、緊張感が高まっていかないというか…。猿弥さんの休演も響いているのかな。
弾正の宙乗りは、しっかり最後まで目撃できて堪能しました。狐忠信の「喜び」「動」の宙乗りに対して、「邪」で「静」の宙乗りです。

四幕目は獅童さんから登場。民部之助の役は特に文句ないです。普通の誠実な人です。…そして、弾正、たまりません!ただの盗人とかの悪人じゃなくて、妖術使いで術を破るには子(ね)の年、月、日、時刻に生まれた男子の生血が必要だとか、オカルトティックな設定。目の動きや、表情、全体のゾっとする感じったら…。先日、(スタンド・バイ・ミーで海老蔵さんとダブルキャストだったという)山本耕史が吸血鬼のスンゴイ役やっている映画見てかなりゾっとしたのですが、海老蔵さんは、CGもカラコンもなしに、えも言われぬゾゾ〜っと身の毛もよだつ、なのに美しくてついフラフラついていってしまいそうな悪魔を演じています(あんまりにも格好いいので、宙乗りの時にキャーキャー言ってみんなで追いかけて、袴をつかんで引きずり下ろしてしまう、という空想をしてニヤついてしまいました)。そして、そんな弾正にたいして勝元の爽やかぶりがまた際立ちまして。「伊達の十役」はもう、雷神不動にも増して、海老蔵贔屓に堪えられない演目になっております。松竹座で再演を激希望ですね!

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二階のロビー。未来の花嫁からインタビューを受けたソファーがなくなっていて、バースタンドになっていました☆

一件落着して所作事です。姉妹の霊、色っぽくて、鏡獅子の弥生とは違う趣。踊りはまぁなんですが、時々みせる「ギロッ!」ってかんじが面白いです。京潟姫に「高尾太夫と累に似てる」と言われて「え〜」って意地悪そうに言うとことか。最後は押し戻して、姉妹の霊も「消えにけり」。スカっと終わって、いっぱい拍手して帰ってきました。

今回は、奈良から遠征に来られた澤瀉屋贔屓の方と隣り合って、歌舞伎歴も同じくらいで、幕間にお話できて楽しく観劇できました(次は松竹座で会いましょう♪)。また、掲示板にもたくさん書き込みをいただいたので、掲示板のみなさんと楽しめている気がいつも以上にしましたです。
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海老蔵、「伊達の十役」は鷹揚の御見物を! [海老蔵礼賛]

2010年の初歌舞伎にやっと行ってまいりました!
歌舞伎は昨年八月の五右衛門以来で、昼・夜観るのはさらに久しぶり。なのに前日、中ジョッキ5杯飲んで、その後二合徳利を燗で二本空けて、ホテルに帰ってさらにビール飲んだという…。朝の4時半ごろ目が覚めたら、それから寝られなくなってイカン、イカン、このままでは客席で寝てしまう!しかし「寝ないと!」と思うほど眠れなくなって、仕方なく着替えて7時からホテルの朝食サービスをガシガシと食べて(我ながら元気〜)、朝のニュースショー等見てると9時頃眠くなり(ここで寝たら遅刻!)少し早めに出て、銀座三越で、お弁当などをしこたま買い込んで(夜の分も♪)いざいざ、新橋演舞場へ!

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今回のポスター。妖しい雰囲気バリバリっすね〜。

新橋演舞場 初春花形歌舞伎
2010年1月16日 昼の部

昼の部はケチって三階席。まずは寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)です。今ちょうど「歌舞伎という宇宙」(渡辺保/筑摩書房)を読んでいて、「対面」について、写真もモンタージュもない時代に親の仇に出逢った青年の複雑で劇的な心境、その宿命的出逢いのシュチュエーションを「対面」という言葉で呼んだ、とか、その青年の心情というか情念を二百数十年伝えてきて、その中で「型」が抽象化され、純粋化され、様式化され今日に至った、というような事をオモシロイナーと思いながら頁をめくっていたので、海老蔵さんが出ていなくても観るのを楽しみにしていたらららら…。主役の五郎は獅童さんなんスけど、なんか弱いっちゅうか、軽いっちゅうか。爽やかかなんか知らんけど、荒事になってへんやんけ、って感じですよね。なので、舞台装置や衣裳など様式美に溢れてお正月らしい雰囲気を醸し出しているんだけど、全体に空虚というかつかみ所のないフワフワした対面だったなぁ。中では右近さんの工藤祐経がいいように思った。歌舞伎ようわからんくせに何をもって良く思えたのかというと、なんとなく祐経だけどんな人かわかった、という。春猿さんはお綺麗でした。

30分の休憩を挟んで黒塚(くろづか)です。猿之助さんの家の芸を右近さんが初役で。嫉妬の情から人食い鬼になっちゃった老女が仏にすがろうと思ったのに、簡単に約束を破った阿闍梨に怒って鬼の本性出して対決する、というあらすじ。
番附の「みどころ」読んだ時から、前半はほとんど動きのない中侘しい老女と悪鬼の内面性を要求される難しい場面だって…寝そう〜!っていうか「閨(ねや)の中、覗いたらあかんで」って女に言われたのに(わかりやすいフリ)強力(ごうりき)が覗いちゃって血の海見つけて大騒ぎ、な場面あたりから記憶が朧で。しかし、その強力(猿弥さんなんだけど、お上手!)が逃げて来たのと老女が鉢合わせするとこから目覚めて(スイマセン)このあたりから俄然盛り上がって楽しくなります!歌舞伎オーケストラが楽しめる演目で、三味線がアグレッシブで好き。ギュイ〜ンギュイ〜ンと弾いてて面白いですね。鬼になって戦う右近さんも体力勝負!?真ん中辺寝てたくせに、昼の部ではイチに押しちゃいます。また拝見したい演目です。

昼の最後は、歌舞伎十八番の内、春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)です。以前に拝見したのは襲名の時の歌舞伎座で(上演記録を見ると、その前に平成7年9月に歌舞伎座で踊ってるんですね〜。なんと胡蝶はぼたんさんと松也さんですって。これ、観たいですね!歌舞伎チャンネルでやらないかな。)、「ずいぶんデカイ弥生やなぁ」と思ったけれど、今回はほっそりなさっているので、お綺麗で、紫地の着物もよくお似合い。恥ずかしがって一旦ひっこんだりするのも可愛らしいです。しかし、時々「男」が背中に出ますねぇ。一瞬可憐な時とかもあるのですが。でも全体に安心して観られるというか、この演目も歌舞伎オケを楽しめて、胡蝶も可愛い。後シテで獅子の精になって登場して悠然と毛振りも危なげないですね〜。ただ私の好みでいえば「連獅子」の方が盛り上がるというか、毛振りの必然を感じるというか。同じ役者が弥生と獅子の精を演じているオドロキ、といったとこでしょうか。客席全体が熱狂、というところまでは行きませんでした。

昼の部は海老蔵さんを、というよりは歌舞伎を楽しみました♪って感じ。そして、いよいよ、いよいよ、夜の部ですがな〜

猿之助十八番の内、伊達の十役
海老蔵さんのでずっぱりで、十役早替りで宙乗り相勤め申し候ですから、客席も海老蔵ファンでいっぱい。キレイでおしゃれな女の子や男の子も多いし、もちろん我々中年族も(心が)キラキラだし、ジジババだって、みんな大好き☆ですもんね〜。
幕が開いた時の拍手の熱量が違います。雷神不動の時みたいにまず海老蔵丈から写真パネルを使った筋説明がございまして、上演前に最後まで説明しちゃうって、ホント歌舞伎って不思議な演劇。いつもの十倍の声援を、ですって。海老蔵さんが演じるのは以下の十役です。

赤松満祐/まんゆう/弾正の父。クーデター失敗で死。
仁木弾正/にっきだんじょう/父の遺志を受け継ぐ。
絹川与右衛門/累と不義。でも忠臣。
足利頼兼/足利家当主。色ボケ
土手の道哲/どてのどうてつ/悪坊主
高尾太夫/たかおだゆう/頼兼のカノジョ
腰元 累/かさね/高尾太夫の妹
乳人 政岡/まさおか/頼兼の息子の乳母
荒獅子男之助/あらじしおとこのすけ
細川勝元/菅領(裁判官みたいなシゴト?)

発端、序幕、二幕目まで続けてです。
発端、弾正が出て来て髑髏にささっている鎌を取ったら満祐の霊が現れて、天下を覆そうという遺志をつぐよう妖術を授ける。それを聞いていた与右衛門は阻止する覚悟をする。そこへ弾正現れ争う。…わかります?主要キャストが全部海老蔵さんなんで、ずっと早変わりをしてます。なんかソワソワしてお芝居に集中できないです。序幕ではさらに、道哲頼兼が加わり、さらに、高尾太夫と増えていきます。舞台上に複数いないといけないときは、影武者が同じ衣裳で顔見えないように演じるんですが、それも不自然で、ず〜っとそれの連続。落ち着かないし、一人で女の声出したり男の声出したり、高くしたり、低くしたりも馬鹿馬鹿しく思えて、途中で退屈してまた睡魔に襲われてしまいました(花道の早替りは見逃しませんでしたよ)!
あ〜あ、なんか危惧した通り…。ワタシは歌舞伎にアクロバティックなものを求めていないんだけど。海老蔵さんの四ノ切は感動したけど、スーパー歌舞伎で観た骨寄せの岩藤は感心しなかったもんなぁ、とかいろんな思いがぐるぐるアタマを回ります。歌舞伎楽しめないと、お金と時間の両方のダメージがあるので落胆が激しいんですよね。私のガッカリをあざ笑うかのように海老蔵さんは早替りをくり返していました。

やっと休憩になって、超ブルーでお弁当(美味しいものはおいしいデス)。口上で海老蔵さんが「(早替りいっぱいだから)まだるき点もあるでしょうが、鷹揚の御見物を」的なことを仰ってたのをうっかり忘れておりましたよ。
そして、一階の売店の奥に舞台写真コーナーが♪早速拝見して、舞台楽しめない分、写真買っちゃおう!と全種8枚購入。獅子の精と、口上と、高尾・累姉妹の亡霊が入っているので、伊達の方は5役しかないですね。女3役と頼兼と与右衛門がないです。

昼食後は奥殿。政岡は今まで、玉三郎さん、藤十郎さん、菊之助ちゃんで拝見しておりました。んで、海老蔵さんにうまいことできるのかいな、とかなり危惧しておりまして、疑心暗鬼で席についておりましたら、あら〜、え〜、海老蔵さん、なんだかスゴクいいっ!悲劇的かつ線が太いの。おおっぴらにできない任務があって、一歩間違えば藩がお取り潰しになるかもしれない責任をぐっとこらえて淡々としているとことか。それに、海老蔵さんのお母さんぶりがステキなのです(ウチのハハの若いときにちょっと似てます)。海老蔵さんがお父さんなら、子どもが娘の場合は100%ファザコンになってパパ以外の男はみんなしょーもなく思えるだろうし、息子の場合は反発して自滅してグレるか自信なくしてひきこもっちゃうかどちらかのような気がするんですが(ヒドイ妄想のファンですね)、海老蔵ママ、案外いける〜!けっこう細やかに優しくて(千松の相手をしている時の手の仕草とか)そしてかなり強そう。面白いゲームとか発明して一緒に遊んでくれそう♪←政岡じゃない…。
千松と鶴千代が空腹なのに客席の私たちはお腹がいっぱいでゴメンネ。さらに饅頭食べながらご覧になってる人もいたもんね。も〜海老蔵さん、早くメシを炊いてあげてよ!って思ったら「飯炊き」はナシでした。栄御前が現れて、毒入り饅頭を食え、と鶴千代に迫ります。空腹の鶴千代も食べたそう。そこへ千松が身替わりに食べて、いろいろあって弾正の妹の八汐に嬲り殺しにされちゃいます。一人になって嘆きの海老蔵さん、花道で見せる悲憤の表情がものすごく良かったです。いろんな台詞よりもずっと胸にきました。般若のようになって。
全体に今までにみたことない海老蔵さんでした。ハイ、十役の中で私は一番に押します

でも政岡が終わってもホッとできない伊達の十役。床下、荒獅子男之助が出て来たと思ったら、今度は弾正です。政岡を観て、すっかり心満たされたワタクシは早替りも好ましく思えます(現金!)。それに、弾正もよくて、宙乗りで悠然と引っ込む様は敵ながらカッコイイ〜ってやつで、花道の上に透明な道が見えました。顔芸っていうのか、弾正もとても面白い表情をするんですね。えも言われぬ憎々し気な表情や悪い顔をするわけで、その凄みがまた、ハァ、ソレ、超格好いいんですね。キレイなのがスカしてるだけなんて、カスですよね〜。バカですよね〜。弾正、第二位です!

もう、何の心配もありません。序幕で金と時間のムダだったかも…なんて思った私が阿呆です。四幕目には第三位の細川勝元登場です。颯爽としてます。正義の風が吹き抜けるようです(←はじめ落ち込んだ分、のめりこみも激しい)。弾正は裁きで負けちゃうんですが、最後の争いのトコでもいい顔なんです。妖術を破るキーパーソンの与右衛門も登場。ちょっと不思議なキャラクターで、十役の中ではあまり江戸の人っぽくない現代的な感じもする。すんごい大鼠とかも出て来て(面白かった)弾正も頑張るんですが、巳さんにはかなわない、ですね。悪は成敗されて、めでたし、めでたし。最後に物語の終わりと所作事をやるという挨拶が海老蔵さんからありました。万雷の拍手でゴザイマス。

ここでもう8時半くらい。普通なら終演ですよね〜。なのにまだやっちゃいます!大喜利所作事、垂帽子不器用娘(ひらりぼうしざいしょのふつつか)ですって。道成寺がベースになってて、花子の代わりに高尾・累姉妹の霊が出て来て、鐘入りして亡霊となって暴れ回ります(途中で影武者に交代)。そこへ荒獅子男之助が(二人道成寺の時と同じ拵えです。後ろ姿のマッシュルームカットが何度見てもカワイイ)押戻。獅童さんもこのくらいやらにゃ〜イカンよ、と思わず上目線になっちゃう立派な荒事。海老蔵さんの声が劇場中に鳴り響き、ワタクシも大満足でした〜!

久しぶりの海老蔵さんで、最近は大歌舞伎と絡む事が少ないし、今回は早替りというので、ケレンばかり先に立ってお芝居はどうなるのかと、先走っていらぬ心配をしていたら、ぜ〜んぜん心配いらなくて、どんどんと成長して先に進む海老蔵さんがいましたね。海老蔵さんを信頼して、一幕目ももっと(鷹揚に?)楽しめば良かったと後悔しました。来週、ちょっとだけ観られそうなので、また行ってきます!
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デレッデレですの☆ [海老蔵礼賛]

新橋

新橋演舞場の【初春花形歌舞伎】を昼夜観て、さっきホテルに帰ってきました。楽しかった~疲れた~、楽しかった~!昼夜観るのは久しぶりだし、演目もびっしりで、アタマが朦朧とするところもありましたが、めちゃくちゃ熱狂してきました♪花横の隣でした。キャ~!ケータイだと長く書くのが苦手なので明日ゆっくりアップします。
舞台写真は海老蔵さんは8枚。買い占めてきましたよ♪
今日は夜の部で名古屋の美女さんと隣あって、色々お話できたのでまたさらに楽しい観劇になりました。ありがとうございました!


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堂々の新作歌舞伎、「石川五右衛門」! [海老蔵礼賛]

新橋演舞場 八月歌舞伎公演
石川五右衛門
8月10日 昼の部
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「やっちまったぁ〜!」
新幹線の出発時刻に起きてしまったアタクシは時計を見てしばしボーゼン!
ガ〜ン!今回の観劇はこれ一回なのに、途中入場になってしまうのかっ(泣)
アセリに焦って、とりあえず着替えて荷物持って駅へダッシュ!
乗るはずだったのぞみの、きっかり30分後の8時7分発の自由席。10時43分に東京駅着です。
新幹線で歯を磨いて、化粧して、降りてから劇場までの動きをシュミレーション。
いろいろ考えたけど、八重洲口からタクシーで「新橋演舞場へ!11時開演なんです!」と。
とっても親切な運転手さんで、5分前に到着して筋書き買って席へ。
花道近くの七三よりやや後ろの席です。

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ん〜楽しかったです♪
今回は筋書きにも後半の詳しい筋がありませんし、新作だから、もちろん細かい演出のハナシはないし
いちいち新鮮に拝見できました。
鳴神不動北山桜より、お芝居としてまとまっていると思う。
(鳴神〜は一つ一つのお話がかなり個性的だから…)
もちろん退屈なトコや、これから練られるべきトコもあるでしょうが
最後の盛り上げはさすが海老蔵さん!拍手喝采でみんな大喜びでした。
男性客も多くて、1階席は3割くらいそうだったのでは?
六方や見得の野性味ある迫力で、もう青年でなく、オジサン!
責任ある大人の男な感じでした。
筋書きに樹林さんが「噂以上に破天荒で女好き」と
海老蔵さんを形容してらっしゃるのが気になったわ〜
モーニングやグラツィア等の雑誌も売店にあったので
買い損ねた方はぜひ。

みなさんにも新鮮な気分で観劇していただきたいので感想はこのくらいで。
「続きを読む」で詳しく書くので
舞台をこれからご覧になる予定の方はご注意ください。

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