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八月花形歌舞伎、四谷怪談でキャ〜!! [海老蔵礼賛]

新橋演舞場で行われております、八月花形歌舞伎の第二部と第三部に行ってきました。今回は、仕事とライブと歌舞伎の三本立てなので、正直、どうなるかしら〜と心配しながら荷造り。出かける朝に掲示板に書き込んどこう♪とMacを立ち上げて、機嫌良く書き込んでたら、みるみる砂嵐がおこって、モニターが見られなくなって、「???」となりながら、強制終了しておウチを後にしたのでした…。

当日は、有給休暇にしていたので、朝もゆっくりで、買い物したり、東京をウロウロして楽しく過ごし(暑かったですけどね〜)、いざ歌舞伎へ。いつもは観た順に感想書くんですけど、今回は「四谷怪談」から。真ん中よりは前の方で、ほぼセンターのお席です。写真入りの筋書買ってGOです。

え〜っと、あんまり「礼賛」な内容にならないような気がするので、はじめにご注意申し上げておきます。四谷怪談を歌舞伎で拝見するのは初めてなので、私が持った「もっとこうやったらいいのにさ〜」という気持ちが、演出に向けてなのか、海老蔵さんに対してなのかはちょっとわからない感じです。
勘太郎さんがお岩さん他、早変わりで演じられます。海老蔵さんは伊右衛門。なんかね〜あんまり「悪い」感じがしませんでしたです。クールな風になさってますけど、お金を横領したり、自分の悪事がバレないように義父に媚びたり、それが効かぬと知って短絡的な方法を思いついたり、まぁどうしょうもない男なんですが、あんまり「どうしようもない」感がなく、どうしようもないのにメチャいい男だから隣家のお梅がボ〜っとなっちゃって不幸がはじまるハズなんですが、その面白さがないんですな。第三者の観客から見たら「あんな男あかんで!」かつ「キ〜!カッコいい!」が同居してる色悪ぶりを発揮して欲しかったんですよね。そいで、産後の肥立ちが悪い(古いコトバやね〜。今の20代のコとかは聞いたことないかも。血の道とか!)お岩さんに、おなじみの面相が変わる薬が投下されて、お話が進んでいくんですが、伊右衛門さんの悪い具合がイマイチ中途半端。ここはグイグイと「わっる〜」と観客に思わせないと、後からの「恨み晴らさでおくべきか〜!」な、お岩さんの粘着恨み節の説得力がなくてダメだと思うんですが。
お岩さんは、いろんな不幸が集積して、按摩の宅悦に強姦されかけて、そして何もかもが自分の亭主の差し金とわかったのに、宅悦ともみ合っているうちに、死んじゃうのよね。ここら辺から「怪談」な感じになってきます。邪魔者がいなくなって、何よりの伊右衛門さんは、さっそく祝言をあげた嫁と義理の祖父をウチに入れて初夜なんですけど、亡霊と見間違えて首を斬り落としてしまう。
時はしばらく経った呈のお堀の場面。ここでも悪いやつぶりを発揮しないといけないんですけど、顔はキレイなのに根っから腐ってるよね!って思わせないといけないんですが…。一旦アカンやん!と思ったら、回復するの難しい〜。
長いお芝居なので、間に舞台番ということで、猿弥さんが登場して、その後のあらすじを説明してくださいます。ここが一番面白かったです。この前のシーンで終幕と思った人が席を立って帰ろうとするのを「休憩じゃありませんよ。お手洗いですか?我慢は体によくないので、行ってきてください」とか仰るのもお上手でした。殺人もいっぱい、悪巧みもいっぱいなお話の中で、ホッとする間合いでした。
…んで、仇打ちの場です。伊右衛門は、お岩さんの幽霊に悩まされてビクビクのヘナヘナです。前までの場面で、凄まじい色悪ぶりを発揮していたら、この場面のヘナヘナ具合と対比になって、より面白さがでたろうに勿体ない!そしてお岩さんが大活躍で、暗い中に、驚かせやさんのダミー岩さんが客席に乱入して、びっくりして「ギャー」って叫びました。ココが猿弥さんの次に面白かったです♪ゾっとしちゃった。勘太郎さんは確かにあんまりコワくなかったかな。髪梳きとか、コワいんですけど、勘三郎さんや勘太郎さんて、親切そうなイメージあるから、あんまりコワくないというか。一生懸命説明したらわかってくれそう。七之助さんがやったらコワそうかも。
…というわけで、お芝居は面白かったんですが、本当はもっともっと楽しめたんじゃないのかな〜という疑問が残って、「海老蔵、しっかりやれよ!」と思いつつ帰ったのでした。

二部の方は「暗闇の丑松」、長谷川伸・作の新歌舞伎だそうです。初めて観ました。とてもうまくできています。ハナからお芝居として書かれているから、舞台転換や演出などにメリハリがあって無理がない(源氏物語って暗転ばっかりだったでしょう)し、登場人物も絞られていて、伝えたいことがよくわかります。筋書読まなくてもお話がわかるし。ただ、歌舞伎でやる意味があんまりわからないっていうか。このあとの「娘道成寺」は古すぎて、衣装やら押戻しとか、現代のお芝居ではありえん演出とテンションなので、めっちゃ新鮮で面白いんですが、「暗闇の丑松」は古くささが先に立った。愛を全うしようとする男女、貧しさの不幸、すれ違い、転落、偶然の出会い、裏切り、潔白の証明、男の軽薄さ、女の業、復讐etc.。現代のお芝居で、今の空気、今の風俗、今のテンポでやっているからそっちの方が面白いよね。中では松の湯の場面は珍しくて面白かったです。なんとなく知っている銭湯とシステムが違うので。「嗤う伊右衛門」でのお風呂のシーン(佐藤浩市のお尻がイヤだった。タレ具合が…)や「千と千尋の神隠し」の働くシーンを思い出しました。橋之助さんは熱演でしたけど、これもお尻がイヤだった(カタチがヤよ)。獅童さんも足が細すぎ(まぁ、この辺は好みでしょうが)。釜の仕事をしているヒトはまだマシだったけど、普段、服を着ている人のハダカはなんとなく生々しくて気持ち悪い。江戸時代に年中ハダカで本当にこのシゴトをしていた人のハダカはこんなに生々しくないと思う。風雪に鍛えられて「肌」が「革」みたいになってるような気がするので。だから現代人の役者さんには難しいですね。
「娘道成寺」は、さっきも書いた通り、歌舞伎のイメージ通りで面白かったです。小坊主さんたちのぐちゃぐちゃ、や、「十づくし」、女形の引き抜きの衣装や踊り、最後は荒事で押戻し。こっちは素直に楽しんできました。二列目だったし。

終演は9時40分でしたかね。演舞場から歩いて帰れるホテルだったので、ラクでした。ただ、翌日の会社に遅刻せずに行くには、東京ではなく品川始発ののぞみにのらないといけないので、会社まで乗り換え五回で、朝、必死で(寝坊しちゃって…)タイヘンでした。荷物は宅急便で送って、普段通りですが何か?な感じで出社したのですが、正直ハラハラでしたです☆
Macはいろいろやってみたけれど復旧せず、新しいのを今日買ってきました。ヨドバシ梅田に行ったのですが、エスカレーターのところに麻央さんの大きな写真がいっぱい貼ってあって(brotherの何かの宣伝に出ているらしい)、海老蔵の色悪ぶりが足りないのは、オマエのせいかよ〜とちょっとムっとしたのでした。ごめんあそばせ!
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