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通し狂言「義経千本桜」 [海老蔵礼賛]

9月25日、昼・夜、拝見してきました〜♪
普段は「みどり狂言」な公演が多いので(いままでで通しで拝見したのは「先代萩」くらいで、しかも、各段がそれぞれに進化しちゃってるので、お芝居を通しで観たって感覚ではなかったんですよね)、ひとつの世界をずっと拝見するの、面白かったです。11時から9時まで(10時間やん!)お芝居の世界にひたる、というのも贅沢でした。

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昼の部は三階席の中央。舞台までとても近く感じます。

南座はこじんまりした地方のハコって感じで、ちょっとボロっちくって、海老蔵さんのような大スターに来ていただくには申し訳ない気もいたしました。歌舞伎発祥の地でもあるし、東京のヒトは京都が好きだから、いろんな付加価値で底上げされているかな…。顔見世のチラシが置いてあって、一等25000円ですっで。

●鳥居前
 この幕は、壱太郎さんの可愛らしい静がホントよかったです。「お傍にいた時さえ、片時お目にかからねば、身も世もあられぬこの静」「(一緒に連れっててくんないなら)死ぬる、死ぬる」ってウゼー!!なんですが、品を保ちつつ、うざ可愛く演じてらっしゃいました。海老蔵さんは隈取りで登場♪「待てぇ、待ちゃーがれぃ!」忠信です。近頃スッキリお痩せになったのに、この隈取りだと、ふっくらまんまる顔に見えて不思議。むき卵に隈取ったみたいです。腕も脚も隈取り(と隈入りの襦袢にストッキング)で、めっぽうお強い。藤太を踏み破るところが力強くて好きなんですが(ご見物も笑うとこで)、実際、内臓破裂みたいな死に方なので、残酷だなーなんて思ったりもします。

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一回目の幕間でランチタイム。高島屋の地下で買ったお弁当。名古屋のお惣菜屋さんのです。

●渡海屋、大物浦
 玉三郎さん登場です。貫禄〜。相模五郎(亀三郎さん)、入江丹蔵(亀寿さん)がキッチリしててよかったです。やっぱり役者さんは声が良くなくっちゃ、だな〜と思いました。
 大物浦は、正直、知盛の最後のトコと相模と入江の戦況報告以外、退屈なんですよねー。お局さんたちも、そんなんだから時代遅れになって負けちゃうんだよ〜。最後の弁慶の法螺貝の音色が毎度なんか情けなくてガックリきます。
 海老蔵さんも修行積んで、見る方のワタシも鍛錬して成長できたころ、また拝見したいです。

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二回目の幕間は、仙太郎のおまんじゅう。二個買ったけど、さすがに食べられず、翌日のおやつに。

●道行初音旅
 昼の部の方が、玉三郎さんファンは楽しめますね♪竹本と清元の掛け合いじゃなく、竹本だけの演出です。玉三郎さんと海老蔵さんが並んだ姿が美しくて、夢幻の舞かと思いきや、壇ノ浦の戦いの思い出を語る勇ましい踊りです。

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昼の部が3時に終演で、夜の部が4時15分開幕なので、時間潰しにブックファーストで歌舞伎関係の本を見たりして、そいで夜の食料仕入れてまた劇場に。
夜の入場時に、麻央さんがいらっしゃるのをチラ見しました。南座のロビーが狭いし暗くて、若奥様として頑張ってる!というよりは、ただキレイにして何も考えずに受け身で立ってる感じだった。

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夜の部は花道真正面のバルコニー席。オペラみたい♪

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三階の鳥屋もばっちり♪

すっごい端っこの席なんで、どうかしら〜と思ったけど、近いし案外見やすくて、お値段もリーズナブル(それでも8000円)でヨカッタ。これから回数行く時はこーゆー席もぜひ座りたい。1列だけで周りにお客さんが少ないからか、ついお行儀悪くなっちゃうようで、近所の初老の夫婦が、茶の間で観劇しているような気にでもなったらしく、ボソボソおしゃべりしながらご覧になるのは閉口しました。ダンナの方が、奥さんにいろいろレクチャーしてるっぽいんですけど、男の人ってスグ知ったかぶりたがるのでイヤねー。

●木の実、小金吾討死
 さて、海老蔵さんの生足を拝見いたしますか。木の実はヤなやつ具合がいいですね〜。奥さん(吉弥さん)は昔にお店を張ってたそうなんですが、今ではすっきりさっぱりそんな面影もなく、姉さん女房よりもさらに権太の母のようです。もうちょっと色っぽい雰囲気を出しちゃダメなのかな。
 小金吾討死は、吉野の田舎で、まだ前髪の小金吾が日本刀振りかざした集団に追い回されて、自分だって子どもみたいなもんなのに、内侍と六代を守らなきゃならなくて、どんなに心細いだろうかと、毎回とても悲しくなります。薪車さんがその薄幸で悲痛な感じにぴったりでねぇ。

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ひさご寿司というところの「祇園」というセット

●すし屋
 で、木の実、小金吾討死をふまえての、「すし屋」です。お里(梅枝さん)が可愛い♪雰囲気が華やかになってよいです。弥助とのじゃらじゃらもウケてました。弥助にラブ〜なお里ちゃんが、権太お兄ちゃんには、「ハァ?何戻ってきてんの?」みたいな顔するのがお上手でした。リアルです〜。「ビビビビビ〜」も。
 花道からニセ内侍と六代を連れて出てきて(「下にいろい」「つらぁ〜あげろ」とかカッコいい)、海老蔵さんの見せ場が満載なんですが、あんまり「もどり」ってんですか、感慨わかないので、涙、涙のシーンも、全くもらい泣きもなく…。死ぬ必要なかったんじゃん、とか、女房と子どもは処刑されるわけ?とか疑問もいっぱいで。だからつい脚に目がいっちゃうのかしら。

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まだまだ食べます!ケーニヒスクローネの抹茶ゼリー。とてもさっぱりしています。

●川連法眼館、蔵王堂
 そして、楽しみにしていた最後の幕。忠信カッコいい〜。つまんなさそうだけども。結婚するなら銀平ですか。シゴトができて包容力もある。彼氏は権太。ちょっとくらい悪い方が楽しいし。んで不倫するならホンモノ忠信でしょうかねー。カタブツを籠絡して楽しむという♪←スミマセン、終わりに近づいて気が緩んで妄想してしまいました。
 狐忠信の登場で、いっきに世界はファンタジーに。静に問いつめられて正体あらわすの、三階なのでよく見えました。平伏しているときから下に穴があいてて、着物ほどいたりゆるめたりしているようでした。で、一気にもぐって、モフモフで前に出てくるわけなんですね〜。下座音楽の御簾から突っ込んで、ホンモノ忠信に早変わりして窓から顔出すのも「ドタドタドタ」って走っている音が聞こえたし、絵のようにじっとしてるけど、実は荒い息を抑えてるのがわかりました。しんどいんでしょうねー。目が死んでたよ。
 宙乗りは、上の写真のようにすべてキチンと見える席で、客席の喜び具合もくまなく見えて、劇場中で興奮してうれしくて(みんな笑ってた)拍手、拍手で見送れたのがとてもよかったです。
 そして蔵王堂は立派な舞台を背に中央のすっぽんからせり上がってくる海老蔵さん。さっきの盛り上がりさめやらぬ感じですから、お客さんも拍手甘くなっちゃって、何やっても大拍手です。立ち回りもカッコよかったなぁ〜。

明日が楽ですよね!ホント、お疲れさまです。最後まで気を抜かずに頑張ってくださいませ!
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